「Brand: Corthay / コルテ」の記事一覧

天才ピエール・コルテ氏の創造物は男の足を飾る輝石である。
遊び場だった彫刻家の伯母のアトリエで、材料に使われていた革に魅了されたピエール少年は、やがてベルトなどの革小物づくりを趣味にする。
そしてそれが高じてか、17歳のときに職人養成ギルドに入り、約7年間、各地の工房で製靴の技術習得に励んだ後、パリのジョンロブで活躍。
ベルルッティでは5年間、シュール・ムジュール(注文靴)の責任者も担った。
その期間にピエールコルテ氏がデザインした靴が、後のベルルッティの既成ラインの人気モデルになった名作もある。
こうして靴職人としての技術に磨きをかけ、生来の優れた美的感性を開花させたピエール氏は独立を果たし、1990年パリにシュール・ムジュールの工房を開設。
やはり職人養成ギルド出身の注文靴職人である弟クリストフと共に優美なデザインと群を抜く品質の靴を作りあげ、数多くの顧客らを魅了していった。
2004年にはプレタポルテ(既製靴)専門の工房も開き、プレタラインを本格スタート。
一般にシュール・ムジュール・メーカーのプレタは外注工場で製作されるため”別物”になりがちだが、コルテはこの完全自社生産によりピエール氏がクオリティコントロールを行えることから、限りなくシュール・ムジュールに近いプレタに仕上がる。
ピエール・コルテ氏と弟クリストフ・コルテ兄弟が紡ぎ出す珠玉のプレタポルテ靴は、ピエール氏の真骨頂ともいえるベクデーグル(鷲のくちばし)と称される繊細美麗なトゥラインを表す「001」、おだやかなシルエットを見せるエレガントなラウンドトゥの「002」、スリッポン専用の「003」の3タイプの木型で展開中。
そして、これらの木型とトップグレードの素材を使い、ピエール氏ら少数精鋭の腕利き職人らによってプレタの靴はつくられる。
しかもグッドイヤーウェルテッド製法により、シュール・ムジュールの技術を注ぎ込んで作られた靴なのである。
こうして出来上がった靴たちは天才ピエール氏が編み出した唯一無比なる造詣美と、シンプルだが独創性に富む秀逸なるデザインと、「靴の宝石」と例えるべきエレガンスのオーラを身にまとうのだ。