Ciao!東京駅前店の小山です。
突然ですがクイズです。こちらの生地↓から何仕立てができあがるでしょうか?
まずこれはジャケットの前の部分ですよね。
アームホールから腰ポケットにかけて線が3本あります。3本のうち、左右両側を合わせることで(脇ダーツ)ウエストを絞って立体的にします。
通常、アームホールからの切れ込みは裾まで伸ばし、細腹という独立したパーツになります。しかしこの写真では腰ポケットの位置で脇ダーツが止まっています。
また通常だと胸ポケットの少し下からフロントダーツが伸びますが、見当たりません。このような構造で作られたジャケットは正面から見たとき、ダーツによる切れ込みが見えません。脇ダーツは腕に隠れます。
通常はこのようにフロントダーツが見えます↓
フロントダーツが省略されていると、当然ですが柄がずれません。
ダーツを省略する代わりにアイロンワークによって立体的に形作ります。
ということで、正解はフィレンツェ仕立てでした。
フィレンツェ仕立ては手間のかかるアイロンワークを行ってまでも、エレガントに見せるこだわりがあります。
Ciao ciao
写真はLiveranoで長年テーラーをしていたFrancesco Guida氏によるものです。