こんにちは。
Artigiano-Tokyo Ginza(東京銀座店)です。
今冬の締め括りに相応しい2月のビッグテーマは『Goat & Camel』。
衣料界において高級獣毛に分類される、ヤギ科とラクダ科の素材にフォーカスいたします。
ヤギとラクダと言われてもピンとこないかもしれませんが、ヤギ科で高級素材として名高い『カシミヤ』はカシミヤヤギから収穫されます。
ラクダ科では『キャメル(ラクダ)』のほか、『アルパカ』が生地としては有名です。
これらの種はウールと(羊)比較し家畜化されている個体が少なく、特定地域でしか飼育や収穫が許されていない種も存在します。その他品種改良が進んで久しい羊毛と異なり、1頭当たりから採取できる毛量が少なかったり、特定部位しか製品化できないなど、様々な理由で高額になる傾向にあります。
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古き良き時代に仕立てられたクラシコを得意とする当店にとって、これらの獣毛は取り扱う意義があると言えます。
もともと欧州貴族のニーズを満たすために進化してきたクラシコイタリアは、”着心地”と切っても切り離せない関係にあります。
硬くて窮屈なドレススタイルから解放され、ソフトでしなやか、そして品のある仕立ては上流階級の間で一大ムーブメントを巻き起こし、その後のクラシコイタリアの方向性にも大きな影響を与えました。
そしてハイソサエティな人々に留まらず、現在では世のスーツの仕立て方そのものにも影響を与えています。
肉厚に織り込まれたヴィンテージ特有の生地感はもちろんのこと、その流体のごとく素材感と、クラシコイタリアが持つ軽やかな着心地や仕立てと見事にマッチするのがこれらの獣毛です。
これらは軽くしなやかで、温かさや通気性など高い機能性を兼ね備え、マテリアル(素材)として高い素養を持ち併せますが、着心地を優先するあまり、カーディガンのような仕立てになっては元も子もありません。
実際、洋服は素材感に頼り切った”見せかけの着心地”が多い中、素材の特性に頼り切ることなく、素材を”生かした仕立て”で着心地を追求するのがクラシコイタリアの技術であり、『質の良い仕立て』の本質でしょう。
これらの獣毛は”高級素材”という印象から生地ありきで語られがちですが、素材を洋服の本質と捉えるのはあまり賢明でないかもしれません。
『どこどこ産の素材を使った〇〇料理』のように、本当はその素材をどのように美味しく調理するかが大切なのに、素材にフォーカスし過ぎて『ブランド産地=おいしい料理』と錯覚することに似ています。
良い生地を使えば手触りや見栄えが良くなるのは当たり前であり、クラシコ系の仕立て屋にとって、『これらの素材を使ってどうハウススタイルを表現するか』が永遠の課題であると言えるでしょう。
今回のテーマでは、当店のラインナップから驚くべき品質の獣毛を使用したアイテムをピックアップ。
センスを感じさせる混紡生地から、贅の限りを尽くした100%ピュア素材、幻の獣毛と言われるビクーニャまで、生涯のワードローブとして相応しい逸品たちを一挙に公開いたします。
名匠たちが作り出す、ハンドメイドでしか再現不能な世界観を、冬の集大成としてお届けできれば幸いです。
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【オーナー在店期間】
2月の丹下オーナー在店期間は
2月10日(土)と2月12日(月)の2日間です。
※連休中日の11日(日)はオーナー不在となりますので、ご注意ください。
毎月ご好評頂いております『トレードアップ・フェア』
もこの2日間限定での開催となります。
クラシコイタリアを含めクラシックウェアはお直しも含めて自分の体に合わせていく楽しみがあります。
フィッティングやお直しのアドバイスも常時承っております。購入品に関しては当店でお直しを担当いたしますので、この機会に是非ご利用ください。
Artigiano-Tokyo Ginza