こんにちは。
Artigiano-Tokyo Ginza(東京銀座店)です。
皆様、大変お待たせいたしました。いよいよクラシックウェアのハイシーズンが始まります。
東京銀座店では毎月テーマを据えてクラシコ・イタリアの装いを掘り下げる「マンスリーアーカイブ」を開催しています。
クラシックウェアは単なる服ではなく、技術や文化、そして人の営みそのものが刻まれた存在です。
私たちがこうした企画を続けているのは、服そのものだけでなく、その背景にある思考や文化を次の世代
さらにその先の世代へ残していきたいという想いがあるからです。
そのために私たちは、現地のサルトリアへ足を運び職人達とコミュニケーションを取りながら直接仕入れを行っています。
アナログで全く効率的ではありませんが、手作り手の「想い」やプロダクツに宿る「空気感」ごと伝えることこそ
アルティジャーノチャオならではの役割だと考えています。
私たちが願うのは、クラシコイタリアを未来へつなぐこと。
次の世代へ、そしてその先の世代へも受け継いでいけるように、日々の仕入れや発信を重ねています。
そうして積み重ねてきた歩みの一つひとつが、クラシコイタリアを“生きた文化”として残していくことになると信じています。
改めまして、9月のテーマは「Alive Classico」。
クラシコイタリアは決して過去の遺産ではなく、今なお進化し続ける“生きたクラシック”です。
今回は二つのサブテーマを設け、生きたクラシコとは何かに迫ります。
前半は「Fusion(フュージョン)」、
後半は「Another(アナザー)」。今回は前半テーマである「Fusion」について掘り下げていきます。
Fusion(フュージョン)とは「融合」を意味します。
私たちアルティジャーノチャオが考えるフュージョンとは、伝統的な仕立てと現代のライフスタイルが自然に結びつき
新しいクラシックの姿を生み出すことです。
クラシコイタリアが長く大切にしてきたのは、着る人を最もエレガントに魅せることと同時に、人体の自然な動きに寄り添い、日常の所作を妨げない仕立てです。
着る人が無理なく自然体でいられるように設計されたその作りは、時代を越えて愛され続けています。
その魅力を尊重しながら、現代の暮らしや感性に合うように仕立てを進化させていくことこそ
私たちが考えるフュージョンです。
こうしたモダンサルトリアーレたちの仕事に共通するのは、伝統をそのまま再現するのではなく
今の生活に寄り添う工夫を加えていることです。
クラシックとは、普遍的であるからこそ古びない。だからクラシコイタリアもまた、古びない存在であり続けます。
では、そこに“モダン”を取り入れた「モダンクラシコ」はどうでしょうか。
モダンを取り入れると聞くと、一時の流行を足すだけのように思われがちですが
私たちが考えるモダンクラシコはそうではありません。
流行を追うのではなく、伝統の軸を保ちながら「今の暮らしに必要な快適さ」や
「現代的なシルエット」を加えること。
クラシックの普遍性を崩さず、時代に合わせた更新を重ねることで
むしろクラシコイタリアを長く生き続けるものへと導くのです。

ダルクォーレのチェックジャケット。Size:42-44。1836年創業の老舗生地メーカー、シュミット&ロンバルド社のヴィンテージウールを使用。同社は膨大なアーカイブを保有しており、歴史や過去を大切にする姿勢で知られています。この生地は春秋シーズンに適した質感で、軽やかさと奥行きを兼ね備えています。 伝統ある生地メーカーと、クラシコに新しい潮流をもたらしたダルクォーレ。このジャケットはまさに今回のテーマを体現した一着。生地だけを見ていると想像できないほど、仕立て上がりは端正でトラディショナルな風格を漂わせながら、どこか若々しさを感じさせる。クラシコの普遍性と現代的な感覚が共存する、魅力あるジャケットに仕上がっています。
その象徴となるのが Dalcuore(ダルクォーレ) です。
肩から胸、そしてウエストにかけて流れるようなシルエットはクラシコの典型ですが
軽量化された仕立てや現代的な生地選びによって、今のライフスタイルにも自然に馴染みます。
トラディショナルな雰囲気を保ちながら、現代的な軽快さを絶妙なバランスで加えた「モダンクラシコ」の好例です。
一方、Sartoria Ciaia(サルトリア キアイア) は、ナポリ仕立ての柔らかさをベースにしながら
シャープで都会的なラインを表現します。クラシコ本来の快適さに、現代的な切れ味を加えることで
若い世代にも自然と響くスタイルをつくり上げています。
そして、挑戦的なアプローチで知られる Sciamat(シャマット)。
大胆なラペルや強調されたシルエットは、従来のクラシコを壊すかのように見えますが
実際にはクラシコを現代的に再定義する試みです。これもまた、モダンクラシコの一つの形だといえるでしょう。
この9月、銀座店にはそれぞれのサルトリアが生み出す「Fusion」の作品を一堂に揃えました。
実際に袖を通し、クラシコイタリアの新たな側面をお楽しみください。
instagramの投稿では,ダルクォーレを中心にシャマット・サルトリアキアイア・アルフォンソシリカなど
モダンサルトリアーレをご紹介してまいります。
【オーナー在店日のお知らせ】
9月20日(土)・21日(日)の2日間は
名古屋本店オーナー 丹下の東京銀座店 在店期間です。
期間中、イタリア仕入れ探訪のリアルな情報提供はもちろん、毎月恒例のトレードアップフェア・即時査定お買取りも開催。
サイズアウトしてしまったお洋服や、趣味が変わって履かなくなった革靴など
ぜひ店頭までお持ちください。
皆様のご来店を心よりお待ちしております。