こんにちは。
Artigiano-Tokyo Ginza(東京銀座店)です。
7月初旬は名古屋本店のオーナーがイタリアに買付出張のため営業は東京銀座店のみとなります。
(期間中は名古屋本店休業につき取寄せ対応停止しております。ご不便をお掛けしますが何卒宜しくお願い致します。再開は13日〜)
今月のテーマは“イタリア靴”。
昨年はステファノ・ベーメルを中心に、
ハンドソーンウェルテッド製法をはじめとした
靴職人(カルツォライオ)たちの手仕事にフォーカスしましたが、
今年は、さらにその先にある“唯一無二”をテーマにお届けします。
英国靴が、格式ある式典や節目の場にふさわしい
“節度と伝統を映す装い”だとするならば、
イタリア靴は、日々のなかで自分らしく歩むための
“感性に寄り添う選択肢”といえるかもしれません。
前者が、磨き上げられた黒のストレートチップのように
「どう見られるか」を美学としてきたのに対し、
イタリア靴は、「どう感じるか」という個人の心地よさを起点に
美を構築していきます。
そこには、形式やルールといった枠組みに捉われず、
素材の色、形、履き心地。すべてを自由に組み合わせながら、
自分だけの一足を探し出す楽しさがあります。
つまり、イタリア靴は、ただ足元を飾るものではなく、
”自分らしく人生を歩むための“相棒”として存在しています。
規律や格式よりも、
感性の延長線上にある選択肢。
“自分がどう感じるか”を基準に選ぶのが、イタリア靴の本質だと考えます。
だからこそ、
履いたときのフィット感や、
思わず目を奪われる佇まいに、強く惹かれるのかもしれません。
前回のテーマでは、当店が長らく親交のあるフィレンツェの名店
ステファノ・ベーメルをはじめ、シルバノ・ラッタンジにフォーカスしてご紹介いたしました。
過去紹介ブログ
①ステファノ・ベーメル
②シルバノ・ラッタンジ
今回は、ここにステファノ・ブランキーニを加え3ブランドをご紹介。
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Stefano Bemer(ステファノ・ベーメル)
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Silvano Lattanzi(シルバノ・ラッタンジ)
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Stefano Branchini(ステファノ・ブランキーニ)
いずれも“作家的靴職人”として知られる、イタリア靴の頂点を極めるブランドです。
今回のブログでは、ステファノ・ブランキーニについてご紹介いたします。
ステファノ・ブランキーニは、イタリア靴界の名門「ア・テストーニ」の
創業メンバーの一人でありながら、その後、自らの感性と哲学を貫くべく独立。
自身の名を冠したブランド”Stefano Branchini”を立ち上げました。
このブランドの最大の魅力は、「クラシックを解体し、再構築する」という姿勢にあります。
ブランキーニの靴は、伝統的な革靴の枠に収まりません。
クラシックな要素を基盤にしながらも、そこに大胆な曲線美
芸術的なパティーヌ(手染めによる色彩表現)、装飾性に富んだディテールを融合させ
“どこにもない”一足を作り上げるのです。
特に注目すべきは、その製法の自由さと多様さです。
1足の中で、ハンドソーンウェルテッド、マッケイ、ノルヴェジェーゼ、ボロネーゼ、
グッドイヤーなど、4~5種類もの製法を部位によって使い分けるという
まさに前代未聞の手法を用いることもあります。
こうしたアプローチは、単なる技巧の誇示ではありません。
「履き心地」「構造美」「耐久性」「視覚的インパクト」
それぞれの要素を最も高められる方法を、靴のパーツごとに選び抜いているのです。
また、ラスト(木型)も非常に個性的。
トゥに向かって流れるように絞り込まれたフォルム、甲の起伏を活かした立体感など
足を入れた瞬間にわかる“造形の妙”が感じられます。
こうした靴は、もはや工業製品ではなく、
一人の作家が生み出す立体芸術=アートピースとも言えるでしょう。
ステファノ・ブランキーニの靴は、万人向けの汎用的な靴ではありません。
しかし、それゆえに「この一足と出会うために生まれてきた」と思わせるほどの
唯一無二の存在感を宿しています。
それは、履く人の個性と共鳴し、ただの装飾品ではなく“その人自身を語る靴”となるのです。
シルバノラッタンジ、ステファノブランキーニの
新規入荷品を中心に総数20足以上が東京銀座店に集結いたします。
それぞれの靴が持つ“世界観”に合わせて、
コーディネート例もご紹介いたします。
【オーナー在店日のお知らせ】
7/19(金)~21(月祝)の3日間は、
名古屋本店オーナー 丹下が在店いたします。営業12〜19時
期間中は、毎月恒例のトレードアップフェアも開催。
サイズアウトしてしまったお洋服や、趣味が変わって履かなくなった革靴など
ぜひ店頭までお持ちください。
大切にされてきたものを、次の方へ。
そんな出会いが生まれる3日間です。