1890年代にローマにて創業した老舗で、フルオーダーシューズ店としてはイタリア最古。
初代ジュゼッペ・マリーニ氏がこのス・ミズーラ専業のシューファクトリーを開いたのが1893年だから、すでに110年以上もの歴史をもつ老舗である。 現主人は3代目に当たるカルロ・マリーニ氏。 ガット、ペトロッキとともにローマンスタイルのス・ミズーラシューズを作り続けているマリーニは、ローマのシスティーナ通りにほど近い、貴族の屋敷や高級ホテルなどが集まる閑静な一角に小さな店舗兼用アトリエを営んでいる。 ヴェネト通りやトレビの泉のあるスペイン階段にも近いが、貴族の屋敷と高級ホテルが立ち並ぶ静かな裏通りに立地することが、マリーニの生い立ちを物語る。
ハスラーやエデン、エクセシオールに通う上流階級や貴族達など、自分のスタイル・クラシックの粋を知り尽くした都会人のみを顧客にできたからである。
事実、マリーニの靴は”控え目だがすこぶるダンディー”であり、これみよがしな所が無く決して目立たないがインターナショナルで美しい。
しかし見る人が見れば、紛れもなくクラシックを極めた最上級のオーダー靴なのである。
普遍を極めたがゆえに美しい靴であり、100年以上も不変のスタイルにこそマリーニが編み出した究極の美学が集約されているのである。
マリーニの靴は全工程をひとりの職人が手掛けており、したがって生産数は1ヶ月でたったの4~5足。年間でわずか50足程というから、マリーニの靴は大変希少性が高く、実際”幻の靴”などと称されるのである。 顧客にはグレゴリー・ペック、マルチェロ・マストロヤンニ、ジャンニ・アニエリ、ラポ・エルカーン、エリザベス女王2世など各界の錚々たる著名人を有する。
現在、マリーニの靴は日本のタイユアタイでオーダー可能です。