Artigiano-Tokyo Ginzaです。
今年も残すところ1日となりました。
当店が東京でWhite Kingsとのコラボを始め
早2年。来年で3年目を迎えます。
2022年は、当店が”受け継ぐ” というテーマのもと
White Kingsと価値観の共有を追求してきました。
衣料品は傷めば捨てる消耗品という
世の中の価値観がまだまだ根強い中、
当店は世代を超えて受け継がれる洋服という
単なるお洒落着以上の尊さを、
クラシコ・イタリアの洋服や靴に見出しています。
現在、東京銀座店はヴィンテージや
ネオヴィンテージと呼ばれる20年以上前の
個体を中心にラインナップしていますが、
クラシコイタリアを通し次の世代に
過去を生きた職人たちが生み出した
”作品”を託したいという考えがあります。
過去の価値観というものは
一度は廃れますが時を経る中で醸成され、
再び輝きを増していきます。
古いから価値がない。中古だから安い。
そういった価値観から超越した場所に
クラシコイタリアの洋服は存在します。
来年はその価値感の発信をより強固にし
皆様に最高の1着・1足をお届けできたらと
考えています。
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時を重ねる中で変化したものと言えば、
用いられる”素材”が挙げられます。
トレンドや価値観の変化、
物価の変動などで使われるようになったもの
使われなくなったものがいくつも存在します。
これは高額な服地を”受け継ぐもの”と捉えるか
”今を輝く贅沢品”と捉えるかでも変わってきた
と言えます。
その中でも”カシミヤ”は、その立ち位置が
大きく変わった素材とも言えます。
カシミヤヤギの毛というのは非常に細く、
重さもウールの1/3の軽さ。
保温性に富み、ウールにはない独特の
ドレープを生み出します。
旧ラベラ。カシミヤコート(46)
そしてその生地がもたらす着心地は、
肌に溶けて沈み込むような心地よさと
安らぎにも似た心の充足感を同時に与えます。
起毛素材であっても一部のウールのような
チクチクした刺激は皆無。
敏感肌の人にも愛される数少ない獣毛です。
カシミヤは毛玉になりにくいことで
知られていますが、これは汚れが付着して
毛玉になる前に毛が抜け落ちるからです。
いつまでも艶やかで瑞々しい外観を
保っているのはそのためです。
裏を返せばカシミヤというのは毛が
抜けやすく”痩せやすい”素材と言えます。
2002年前後までのクラシコイタリアの
カシミア生地は冬を謳歌する特厚の生地で
仕立てることとが殆どでした。
これは厳寒期を乗り切る最高の生地であると
同時に先の通り”痩せやすい”生地をカバーできる
毛量でしっかりと肉厚に織り込む必要があると
考えられていたためです。
今見るとその肉厚さは、生地によっては
ツイードを彷彿とさせるほどです。
対して、2002年前後から始まる
イタリアの物価高や上質な毛質の減少、
服のトレンド化の急進、温暖化や洋服への
価値観の変化など、様々な要因で
クラシコやカシミヤ素材を取り巻く環境が
変化しています。
現在のカシミヤは高級素材としてより
”特別な場で着用される繊細な生地”、
あるいは”生地を引き立てる混紡素材”
としての立場にシフトしつつあります。
そのため、現在のカシミヤ素材(混紡含む)は
薄さと同時に”ラグジュアリーさ”を意識し
とろけるようなドレープや美しい色柄を
取り入れるようになってきています。
今回のテーマでは、
このような稀少な獣毛にフォーカス。
クラシコ最盛期のヴィンテージカシミヤを
中心としながら、現代解釈でのカシミヤと
比較しながらコレクションを展開します。
キャメルといった稀少獣毛も同時展開。
混紡生地含め、過去・現在のカシミヤ生地
それぞれの良さや特徴があります。
貴方にとってどのようなカシミヤがベストか
このイベントで体感頂けたら幸いです。
1月のオーナー丹下の在店期間は
1月27(金)・28(土)・29(日)の3日間 *。
当店は商品の販売のみならず、
サイジング・お直し・アフターケアに
関するご相談など幅広くご提案。
当期間中はお買取り・そしてお買い換えに
関しとてもお得な期間です。
当店の服は現地買い付けのみならず、
コレクターを始めとする国内のお客様からも
買取りを強化しております。
特別な1着を是非当店にお譲りください。
トータルでのご相談や、新たなお洋服や靴に
当店でお買い換え頂ける良い機会と思います。
お買取りできるブランド、できないブランドについては
【過去記事】をご覧ください。
*同期間中White Kingsはポップアップ出展のため
展示を休止しておりますのでご注意ください。
古着屋や小売店という枠を超えて、
当店は文化と素敵な価値観を発信していきたい
と考えています。
1月も皆様のお越しをお待ちしております。
それでは、良いお年を。
Ciao!
Artigiano-Tokyo Ginza