【コラム】LIVERANO&LIVERANO リベラーノ、そのディテールを紐解く(1)

こんばんは。
Artigiano-Tokyo Ginza (東京銀座店)です。

今月のアーカイブテーマでもあるLIVERANO&LIVERANO(リベラーノ・リベラーノ)。
このブログの前に、リベラーノに関する過去ブログの再掲や、丹下オーナーによる解説を挟みました。

当店は様々なイタリアンクラシックウェア=クラシコイタリアのディティールを一挙に比較できる、唯一無二のユーズト&ヴィンテージウェアショップです。

クラシックウェアのディティールは、実物を比較しないと、なかなか理解できません。
昨今はクラシコイタリアのブランドを体系立てて解説する媒体も減り、若年層がクラシコ・イタリアの世界に触れられる機会も減りつつあります。

多くの方にとって、海外でのビスポーク(注文服)は夢の世界。ましてや何度も、何着も仕立てるなんてことは更に難しい。
しかし、当店はそれらの洋服を手にすることを夢物語で終わらせたくないと考えています。

新品には新品の、ユーズドにはユーズドの強みがあります。それは金額面以外でも…です。
膨大なアイテムたちを基に、抽象的だったイメージを具体化させ、皆さんにクラシコイタリアの姿形に迫って頂けるよう、努力しています。

”実物が目の前にある” そして”実際に着用し比較できる”。これが当店の強みでもあると自負しています。

今回はその強みを基に、リベラーノの持つディティール・その魅力の”正体”を掘り下げてまいります。

 

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”パワースーツ”
“フェミニン”
”男性的”
”エレガント”
”芸術”。

リベラーノの洋服が持つ世界観を表現するために使われるワードです。これらの特徴は一見矛盾するようで、その魅力を的確に表しています。

クラシコイタリアを手にしたことのない人からすればなんのこっちゃ?といったところでしょう。ともすればモードやメゾン系ブランドをイメージしかねませんよね。

リベラーノが生み出す洋服は、上記のブランドとは対極に位置していると言えます。
同時に、普遍的なクラシックとも一線を画した、芸術的なエッセンスが込められているのも特徴です。

ところで、『パワースーツ』とよばれる服の定義とは何でしょうか。

『パワースーツ』と呼ばれるスーツブランドたちには、パワーとなる源=明確かつ非常に高い濃度の”コンセプト”があります。
そのため”自身をどのように見せたいか”を、自ら選び、コントロールする必要があります。

洋服そのものが持つキャラクターを、自己を表現するための自信・パワーの源として応用・活用できるもの。それが『パワースーツ』と呼ばれるクラシックウェアです。
その服が持つ魅力を自身のオーラに見立て、対外的な印象や、内面的な魅力を増幅させ、セルフプロデュースできる存在。といったところでしょうか。

 

例えば、『パワースーツ』の中で最も有名なのはBrioni(ブリオーニ)

ブリオーニの洋服は、政治の街:ローマで生まれ育ったゆえ、グローバルかつ保守・そして権威的。
控えめでかっちりとしながらも、どこに出ても恥ずかしくない上質な生地と仕立てです。

ハリウッドスターや銀幕の世界・支配階級に対するブランディングが上手く、”憧れ・最高の既成服”という確固たる地位を築いている。
『国際的なバランス感に長け、力強く、真面目で風格がある』といった内面を、装いで具体化することができます。

対してリベラーノはどうか?
先のコラムで丹下オーナーが述べたように、優美で優しげ。しかし、その節々には男性的な力強さと色気が宿ります。

力強さという部分ではブリオーニと似ていますが、パワースーツとしての目指す方向性が大きく異なります。

リベラーノは”感性の豊かさ”をパワーの源としています。情緒に訴えかけるような起伏、色彩や表現の豊かさ… アーティスティックな要素が洋服に織り込まれています。

そのディティールはクラシカルでありながら、リベラーノの”色”が遺憾なく発揮され、佇まいから芳醇な生花の香りが漂う気さえします。

男性的でありながら、女性的。ルネサンスの絵画から飛び出してきたかのような出で立ち。
一見矛盾するコンセプトを同時に表現する二律背反の姿は、さながらアンドロギュヌス*のようです。

*アンドロギュヌス(アンドロギュノス)=両性具有。現在は中性的な意味合いとして使われるが、かつて”対極にあるものの統合・調和”を手に入れることが目的だった錬金術師の間で『男女の特徴を兼ね備えた究極の真理・姿』とされた。ルネサンス期の芸術分野にも多大な影響を与えた。

自身の鋭い感性を表現したい。
力強さと当時に、異性に寄り添うような柔和さを醸し出したい。
直球的な表現よりも、多層的でトータル的な表現で自身を語りたい。
色彩豊かな表現のクラシックウェアが好きだ。

そういった方には、リベラーノは非常に素晴らしい選択肢です。

ブリオーニが視覚で感じるパワーならば、リベラーノは嗅覚で感じ取るパワー。
もっと言えば、第六感の直感的な感性が、パワーとして込められていると言えます。

リベラーノの顧客に、芸術家やアーティストが多いというのも頷けます。

次回のブログでは、その感性豊かなパワーを表現する洋服の構成要素とはいったい何なのか?
具体的なディティールについて迫ります。

Artigiano-Tokyo Ginza

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