1945年、品質重視の注文紳士服店としてガエターノ・サビーニとナザレ・フォンテコリの二人によってローマに設立されたイタリアを代表する超高級ブランド。
社名は、イタリア半島とバルカン半島に挟まれたアドリア海北部の保養地ブリオーニ島に由来します。
2002年まではクラシコイタリア協会にも加盟しており、同協会の顔でもありました。
素材からカッティング、縫製、仕立てに関する全ての要素が最高の次元に達しており、世界中のセレブが愛用しています。
ブリオーニは、工業的生産レベルで既製ハンドテーラードスーツを世に送り出すことに成功し、今日までイタリアンファッションのエレガンスを提案し続けています。
ブリオーニのスーツは一着に3000以上もの刺繍が施され、42回もアイロンがかけられるといった技法的な面でベストであることは当然なこととして、その存在自体がクラシコ・イタリア最高峰のブランドであることと同時に、今やグローバルスタンダードなスーツブランドであることはまぎれもない事実です。
1960年代、当時主流であったイギリスのサヴィル・ロウ仕様のクラシカルなスーツではなく、最新のイタリアンコンチネンタルスーツを世に問い、ゲーリー・クーパーやジョン・ウェインといったハリウッドの一流スターがこぞってブリオーニを着るほど、アメリカのマーケットで大成功を収めます。
以後、アメリカをはじめとする世界でのブリオーニ人気は不変となり、色気と華を併せ持つブランドとして紳士服のスタンダードへと登りつめていきます。
象徴的な話題として、1995年の冬に公開された英国映画「007/ゴールデンアイ」では、新たなジェームスボンド役に抜擢されたピアーズ・ブロスナンが身にまとうスーツとしてブリオーニが選定され、サビィル・ロウ以外で初めて作られたジェームス・ボンドのスーツという話はあまりにも有名です。
現在もその顧客は錚々たるもので、模範的なスーツスタイルで引き合いに出される国連事務総長のコフィ・アナン氏などもその顧客一人です。