Ciao!東京駅前店の小山です。
ネクタイの原型となるものは紀元前から存在していたそうですが、約100年前に大きな転換期が訪れました。それは “ネクタイの生地を斜め45度に裁断する” という大発明です。
専門的にはバイアス裁ちと呼ばれる、この斜め裁断によるネクタイの製法は特許も取得されており、100年経った現在でも一部の激安ネクタイを除いてこの製法でつくられています。
E. Marinellaの動画を見るとやはりこちらも45度に裁断していますね。
では、何のために45度で裁断しているのでしょうか。みなさん、今着ている服の生地を縦・横・斜めに引っ張ってみてください。縦と横には伸びない生地でも、斜めには多少伸びるのが分かるかと思います。
ネクタイは締めても体の動きによって緩もうする力が働きますが、縦に伸縮性がある(45度で裁断するのでネクタイの完成品には縦と横に伸縮性が生まれる)ことで緩みにくくなります。輪ゴムと硬いタコ糸それぞれで結び目を作った時に、伸縮性のある輪ゴムの方が緩みにくいと想像できるかと思います。それと同じ原理です。
ネクタイは通常、小剣・中継ぎ・大剣の3パーツに分かれていますが、これは生地の面積の都合上であり、緩みにくさとは関係がありません。斜めに裁断するようになったので1パーツでの面積を確保することが困難になった結果です。3パーツに分けることで生地を効率的に利用できるようにもなりました。
Ciao ciao