こんばんは。
Artigiano-Tokyo Ginza(東京銀座店)です。
改めまして本年も宜しくお願い致します。
今年初のテーマは新春に相応しいスペシャルな内容をお送りします。
今回は構築系スーツの本場イギリスを離れ独自の文化と仕立てを醸成した、ある種難解ともいえる『ナポリ流の構築』がテーマです。
スーツと威厳。第二の皮膚でありその人の魅力を増幅させるツールであるスーツ/ジャケットは『構築感』と切っても切り離せない関係にあります。
イギリス:サヴィル・ロウの『構築的』の対極として『非構築的』と表現されることが多いナポリ仕立てですが、そういった表現は本質を突いていないと感じます。
そもそも『構築』の正体とは何なのでしょうか?
一般的には張りのある生地にパッドやバス芯(馬毛)などの副資材を用いショルダーやチェスト、ウエストからヒップにかけてカッチリと立体的に作り込んでいったスーツやジャケットにこの言葉は使われます。
力強い線で描かれるシルエットは立体建築を思わせる硬質さも併せ持ち、『現代の鎧』と表現されることからも威厳と同時に大人の落ち着きを漂わせることに向いています。
スーツのルーツであるイギリスの伝統的な仕立て方であり、『英国調』と表現されることもあります。
しかし、問題はその”製法”が構築感と直接結び付け語られることが多い点です。
これらの生地や副資材はあくまで構築要素を構成するための”手段”なのですが、『(上記のようなイギリス流の)素材使い/仕立て=”構築的”だ』というミスリードを生み出します。
結果として上記のような仕立て方と異なるナポリ仕立ては、『着心地重視で副資材を省いたシャツ/カーディガンのようなモノ』『イタリア製なら別に構築的じゃなくていいや』という誤解のもと安易に語られる傾向にあります。
では、どっしりとした打ち込みの生地や副資材に頼らない”構築”の作り方はあるのか?というと、無論あります。
それが『ナポリ仕立て』の構築です。
パッドといった詰め物に頼らない独自のアプローチで形作られる構築感は、ハンガーやトルソーでは全く服の立体感が表現されず、『カーディガン』という誤った認識が広がる理由の一つです。
しかし蕾が水を得て花開くように、人が袖を通した瞬間満開ともいえる立体感を表現してきます。
人が袖を通すまでその全貌が全く見えないのがナポリ流の構築であり、着用した際の衝撃も大きいものがあります。
動的な美意識を兼ね備えたナポリの仕立ては体にしなやかに追従し、そのシルエットを崩すことなく構築を表現することが可能です。体への制限を極力減らすという点も、イギリス系の仕立てと大きく異なる部分と言えます。
今回は東京銀座店が新たに”推し”とする
『コスタンティーノ』をメインに据え、
当店が最も高く評価する既成ブランド:
アットリーニのハンドメイドアイテムや
巨匠:パニコの作品などを同時展開。
言葉や蘊蓄ではない、『装い』の本質を
実際に身に纏いご体感頂ければ幸いです。
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【オーナー在店期間】
1月の丹下オーナー在店期間は
1月20日(土)・1月21日(日)の2日間です。
毎月ご好評頂いております
『トレードアップ・フェア』
もこの2日間限定での開催となります。
クラシコイタリアを含めクラシックウェアは
お直しも含めて自分の体に合わせていく
楽しみがあります。
フィッティングやお直しのアドバイスも
承っており購入品に関しては当店でお直しを
担当いたしますのでこの機会に是非ご利用ください。
次回のブログはコスタンティーノ
について触れていきます。
Artigiano-Tokyo Ginza