【新旧アットリーニの変遷比較編】『本物』。アットリーニを当店が扱い続けるその魅力と、変わらないもの。

Artigiano-Tokyo Ginza(東京銀座店)です。

名古屋・東京両店、アルティジャーノが
20年に渡り最も力を入れラインナップしてきたのが、
世界有数の仕立職人集団を擁する
ナポリの『Attolini(アットリーニ)』となります。

クラシック既製服の王者として知られるアットリーニ。
当店がシグニチャーとして扱い続ける理由について、
今まであまり触れてこなかったかもしれません。

これは既成ゆえに流通数が多いから、ではありません。
実際、クラシコイタリアの三大既成ブランドと呼ばれる
・Brioni(ブリオーニ) ・Kiton(キートン) ・Attolini(アットリーニ)
の中では最も流通量が少ないブランドとなります。

イタリアの手縫い洋服だけでも数千着扱ってきた中で、
銀幕のスターを彩った: Brioniでも、
ニューヨークの成功の象徴であるKitonでもなく、
当店にとってはAttolini(アットリーニ)が
お店のスタイルとしても主軸です。

当店はアットリーニが持つ、一見中庸なようで
クラシックの芯を捉えた品格を高く評価しています。
それは一貫したテーマと手縫いによる技術を貫いている
”本物感”が全面に出た洋服づくりであるから。
と言えます。

洋服に関わらず、
企業は時代に合わせて様々な生き残り戦略をかけますが、
アットリーニは一貫してその軸がぶれていません。
手法は変えても表現している世界は何ら変わっていません。

ゆえにアットリーニはファクトリーというよりも、
『職人集団』という言葉が似合います。

クラシックウェアの頂点。
その格好良さの中に、我慢を強いる要素は皆無。
それどころか『あの頃はよかった』と言われがちな
洋服の仕立てやカルチャーの中で、
常に時代に合わせながらも最良の選択をし続けた
稀有なブランドであると言えます。

今回は、そんなアットリーニの新旧を比較。
貴方が求めるスタイルあどの年代にあるのか、
是非探してみて下さい。

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①【1990’s】

当店が現時点でラインナップする中で
最も古い時期の個体です。

イタリア中からトップレベルの仕立て職人を集め
既製の最高峰としてスタートした、
”既成のアットリーニ”黎明期のものとなります。

モダンの中に古典を感じさせるスタイルが
お好きな方にはドンピシャな世代となります。

比較的かっちりと作り込まれたショルダーの
シルエットに極厚のカシミヤ・ツイードを採用。

着心地は適度なホールド感とともに
抜けの良い、浮遊感を帯びた独特の着用感。
イギリス系のハリスツイードを着てこられた方は
びっくりするかもしれません。

生地のポテンシャルに頼らない仕立て、
実は一番難しいことです。
柔らかくしなやかな生地を使えば
軽さは”演出”できますから、
ヘビーな生地や一見硬質な見た目の服で
着心地を追求で来てこそ本物だと
当店は考えています。

それにしてもこの生地使い、現代での再現は不可能でしょう。
ここまで高密度で織られたカシミヤであれば
毛が抜けることによる生地痩せの心配は無用です。

この時代から既にアットリーニが持つ
シャープさは健在。
形は変われど基本的な軸は一切ぶらさない
ことがよくわかる個体です。

フラップ付きのポケットは直線的で
敢えてカーブやパッチポケットを採用せず、
南方のイメージにし過ぎないところが
纏まったクラシックの印象となっています。

ハンドメイドとアイロンワーク、生地、
全てが融合するとこんな『世界』になります。

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お次は90年代半-後半。

②【1990’s】

これまた格好良い個体。
2ピース・スーツです。

肩周りの構築がもたらす適度な重厚さと
スタイリッシュさを兼ね備えた1990年代の名作品。

アットリーニは各部の設計や理論が
スーツの基本に忠実です。
そのため時代時代の流行でデザインに
揺らぎがあったとしても、
その変化が時代遅れとなることなく、
光る個性として機能します。

例えばこの時期は低めのゴージ位置(襟)が特徴ですが、
それが古ぼったさよりもアクセントとして
効いているのがニクい印象です。

どこまで行ってもコスプレにならない
バランスが王者たるセンスでしょうか。

チャコールグレーとなりますが、
オレンジとブルーのかすれた
ピンストライプが織り込まれています。
この時代、生地のセンスもピカイチです。

照明や光の角度によっては深いブラウンの
ような表情を見せることもあるウールです。

この個体のように、
クラシックスタイルの芯を捉えたモノづくりが
ヴィンテージモデルから強く感じ取ることができます。

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【2000’s】

ウールジャケット。
2000-2010年代、時代の過渡期の中で
アットリーニスタイルが一つの完成を
迎えたと当店が考えるスタイルです。

名古屋本店の丹下が多く所有するのも
この年代となります。

基本的な要点はアットリーニの基本を
抑えながらもより縦長でスマート、
そして均整のとれたシルエットです。

これにより、より多くの体型に対応する
柔軟さがアップしました。
既製服としての円熟といってところでしょうか。

いかり肩ぎみの方でもアットリーニの
控えめかつシャープなショルダーのラインを
堪能することができます。

そしてこのシャープで吸い込まれるようなVゾーン。
これが ”アットリーニ・スタイル”です。

Vゾーンがよりコンパクトになったことで
ラペル(襟)に存在感が出ています。
同時にアイポイントが高くなり縦長効果が強調。
単にスマートに見せるわけでなく、
アットリーニが誇る職人集団の手により
高いアイロンワークと縫製の融合で、
胸元のバルク感の完成度が増しました。

この印象的なVゾーンが今日まで続く
アットリーニスタイルのニュースタンダード
として機能しています。

職人の技量が出るのはフロントだけではありません。
このバック・スタイル。
背中への吸いつき感、本当に見事です。

トルソーに着せてこのラインは
生半可な技術では出せません。

ジェントルマンスタイルとはまた異なる
ダンディズムを宿したスタイルは、
アットリーニ家の古巣である
旧:ロンドンハウスのスタイルを、
よりナポリの反骨精神と融和させた結果でしょうか。

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【2010’s】

ここにきてめちゃくちゃ洗練されてきましたね。
軽快なホームスパン・ジャケットです。

前述した通り、アットリーニが考える
『ナポリ仕立て』の一つの集大成と言える
着地点が2010年前後の個体だと考えています。

イギリスとイタリアという二者択一、
ある種の対立構造から完全に解き放たれた
『アットリーニ・スタイル』が確立されています。
その洗練具合は2010年ごろに特にきわまった
と感じております。

アットリーニが得意としている肩や襟周りから
漂わせる品のあるシャープさに、
南方の、あのシャツのような柔らかいシルエットを
統合する大胆な手法。
アットリーニ以外では見かけるやり方でしたが、
アットリーニもついに融合を図ります。

しかしそれでもちゃんと
”アットリーニしている” のですから驚きです。

アットリーニスタイルを司るVゾーンは
少しだけ返りが深くなり、
ラペルのロール感・ふんわり感が増しています。
この曲線がウエストや要所の曲線とぴたりと
一致しているリズム感が心地よいです。

流行によって上下するゴージラインも、
アットリーニはやり過ぎないゆえに良い。

さまざまな仕立てを見てきた人間たちが、
最も評価の高い仕立てブランドに
アットリーニを挙げるのも納得の一着です。

ちなみに東京銀座店のスタッフはこの年代が
非常に好みです。

カラーは優しいネップ感のあるダークレッドと
オフホワイトのコンビネーションとなります。

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【2020’s】

ツイードジャケット。
2020年代も大きな変化を見せてきました。

記号化したデザインにストレートな
格好良さを乗せてきています。

『”クラフト(手作り)感”を出さないクラフト』。

プロダクト然とした隙のないスタイルを、
最高の手縫いで表現するという手法。
ある意味正攻法で攻めてきたと言えます。

生地感もあってか肩のシャツ袖
(マニカ・カミーチャ)は強調されません。

Vゾーンの深さはそのままに、
肩、ラペルのラインともに少しコンパクトに。
若々しく、キレの良さに磨きがかかりました。

近年のナポリ仕立ては、均整のとれた
シャープさを前面に出し始めています。
アットリーニもその流れを汲んでいます。

むしろそのムーブメントはアットリーニが
作り出しているとさえいえるかもしれません。

角面が強調されたモダン・ブリティッシュを
ベースとしたアットリーニ流の味つけ。
パッチポケットやラペルの返りの良さで
ハンド感をエッセンスとして残します。

それにしてもその仕立て技術、
全く衰えることを知りません。
恐るべき王者、アットリーニです。

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1930年代、初代アットリーニ
ファッション界に衝撃をもたした、
クラシックスタイルの構築的様式からの脱却
“脱・構築”。

現代ではナポリ仕立ては”非構築”として
広く知られていますが、
その仕立ては既存に仕立ての否定ではなく
全く別の次元からのアプローチから
誕生したものです。

100年あまりを経て、新たな脱構築スタイルに
アットリーニは挑み続けています。

皆様はどの年代のアットリーニが
お好みでしょうか。
現在数十着の規模でアットリーニの在庫が御座います。
サイズも柔軟に取り揃えておりますので、
生地やネームバリューではなく、
ご自身に合う”スタイル”で選ぶという、
新たな選択肢でお洋服をお選び頂くのはいかがでしょうか。

ご来店をお待ちしております。

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