今回の【知恵袋】は 靴の磨き クリームと題し 相違点は
多々あると思いますが 20数年磨き続けた私の経験上ご
紹介させていただききたいと思います。
昔と違い 今は靴を磨くことを職業としている方々が沢山
おられますが( 昔も街頭先で椅子に座り磨いてくれる
おじさんは居ました。今も日本橋高島屋前には居ます。)
出来れば自分自身で磨けば 革の変化(色合いや艶等)が
楽しめると思います。なにせ履けば1日の半分以上は身に
付いているのですから。
磨きについては購入後 乳化性のクリームを靴全体に満遍
なくタップリとぬり 1日置いてからブラッシング
次に油化性のクリームにてポリッシング 基本的にはつま
先部分とカカト部分の月型芯(中革カウンター)が入っ
ている部分なります。これは履いていて皺の入らない所
また乳化性のクリームをぬりすぎて芯を柔らかくしすぎ
ない為です。中には月型芯が土踏まずまで伸びている靴
もありますので そういう時はポリッシュクリームのみで
磨きます。一度十数年経っても土踏まずの芯が硬いまま
なのでプラスチックなのかと揉んでみたところ 柔らかく
なったのでやはり革のようでした。いつか処分する時が
来たらバラして見てみたいのですが あと20年後??
鏡面磨きについては皆様もご承知のように 水をたらしな
が根気強く 私は綿のガーゼを指に巻き円を描くように磨
いていきます。これは靴のクラックや引っ掻きキズ 革の
めくれの直しの際にも応用いたします。
下ろしたて履き始めは靴全体に乳化性 油化性の順で銀面
に凹凸がなくなるように磨いてます。そうしておけば銀面
の隙間にクリームが入り ある時からブラッシングだけで
輝きはじめる時が来ます。当然ブラシにも自然にクリーム
が染み込んでいますのでブラシがシャチハタ状態になり
ますので。 ブラシは少なくとも五、六本は必要で長年の
使用した物程 重宝します。私のブラシは全て15年以上は
経ってます。
経験上磨き方は自由で油化性のポリッシュのみでも問題
ないと思います。
履き皺に乳化性のクリームをぬることで革を柔らかくし
色落ちした部分を戻したり 皺が綺麗に入る補助やまた
クラックの防止など 履き口にぬれば 履く際の亀裂の予防
の為だと思います。十数年磨き続けた靴の艶の深さは 味と
して私を楽しましてくれます。
乳化性のクリームはメルトニアン(販売中止)コロニアル
モゥブレィ サフィール等を使った結果 シダーオイル、パ
ームオイル、ビーズワックス配合のモゥブレィ プレステー
ジクリームナチュラーレが一番のお気に入りです。
ブラック、ニュートラル、ライト
ブラウン、ミィディアムブラウン
ベトつかず艶は最高
油化性クリームは サフィール
ビーズワックスポリッシュがお気
に入りです。ブラック、ミディアム
ブラウン、フォーン(オレンジ系)
以前はキューイにミッドタン、ラ
トタンがありましたが 今はブラ
ウン ダークタン オックスブラッド(紫系)、ブラック、
ナチュラルなので ミッドタン、ライトタン はよほどの時
以外は使いません。サフィールはカルナバワックスを含む
ビーズワックスで輝きはキューイより若干おちるように思
いますが成分が良く 個人的にニオイが大好きです。
文面が長くなりましたので 次回に靴の革の修復(修理)に
ついてご案内したいと思います。
東京駅前店では革靴のメンテナンスやハイシャイン磨きも
承っておりますので 宜しくお願いいたします。
【 東京駅前店 店長 】