Ciao!東京駅前店の小山です。
先日参加した長谷川喜美さんのトークイベントで特に興味深いお話がありました。それは、イギリスではマスターテーラーが引退してもハウススタイルが継承されるけれども、イタリアでは途絶えてしまうことが多いということです。
長谷川喜美さんの「Sartoria Italiana」刊行記念イベントに参加してきました
イギリスでは世襲にこだわらずにハウススタイルが引き継がれるらしいのです。イタリアに限らず日本でも家業のような小さな仕事は同族経営が多いので、イギリスはその点で進んでいるなあという印象を受けました。
イタリアでは、現在マエストロやサルト・フィニート(仕立て職人の最高位)と呼ばれている職人は70~80歳くらいになっており、その下の世代が少ないのが現状です。
そんな中でも、昨年のイタリア訪問で2代目のサルトが初代と同じくらい存在感を放っていたのが、ナポリのCiardi兄弟とパレルモのMauro Crimi氏でした。
Sartoria Ciardiはレナート・チャルディ氏が創業し、Sartoria Panicoと並んでナポリの2トップと呼ばれています。レナート氏は昨年惜しくも亡くなりましたが、息子2人がすでに熟練の職人として活躍しています。ご兄弟は父親譲りの人間的な魅力があり、実際にお会いしてオーダーしたくなりました(お金があれば)。
シチリア島パレルモにあるSartoria Crimiの創業者カルメロ・クリーミ氏は、あのドメニコ・カラチェニで修行し、故郷パレルモに戻って独立・成功を収めたという輝かしい職歴を持っています。
Crimiがつくるのはオーダー服のみで、現在のところ日本では注文・購入できません。にも関わらずCrimiは日本の雑誌などでもよく取り上げられ、2代目マウロ氏は職人とウェルドレッサーの両面で存在感を示しています。マウロ氏が着ているのと同じジャケットをオーダーしたいと思いました。
Ciao ciao
3月16日発売の「Sartoria Italiana」は現在アルティジャーノ東京駅前店で読むことができます