buongiorno~comestai⁉︎
お盆期間も平常通り営業しまして、普段お会いできない遠方からのお客様にもお目にかかることが出来ました。
このような小さな店に遠路はるばるお越し頂けること、本当に感謝しております。
お越しくださった皆様一人一人のご希望に応えられるサポートをできる限り実現したいという想いでおりますので、
ご来店頂いた際には、ぜひ遠慮なくご意向をお聞かせ頂ければと思います!
さてさて、記憶が薄れぬうちに今夏のイタリア出張記の続きです。
フィレンツェ編の第2回として、日本でもタイユアタイでのオーダー注文服で有名となった「セミナーラ」、
そしてそのセミナーラで修業を積んだ日本人サルト宮平康太郎氏の「コルコス」です。
フィレンツェのアイコンでもあるドゥオモのほど近くにサルトリアを構える”Sartoria Seminara”にこの夏 初訪問しました。
ほとんどのサルトリアがそうなのですが、こちらも建物の空中階にあるオーダーサロンで、場所を探すのも一苦労…
ようやくたどり着いた時、当主ジャンニ・セミナーラさんが笑顔で温かく迎え入れてくださいました。
雑談のあとフィレンツェ仕立ての構造やセミナーラのハウススタイルを丁寧に説明してくださり、こちらの質問にも真摯に答えてくださるジャンニさんが神々しく見えました。
ちなみに現在、日本人女性サルトがこちらで修業されておりました。
華の都フィレンツェ流仕立てとは、構築的なミラノ仕立てと柔らかい手縫いのナポリ仕立てを現代的にバランス良くミックスしたイメージ。
それは世界遺産に囲まれた芸術の街で、モダンとクラシック、そして伝統的な手縫いの文化がうまく共存しているからこそ出来上がったフィレンツェならではのスタイルと言えます。
ここでセミナーラの系譜を少し解説します。
初代ジョセッペ・セミナーラ氏が1957年に創業。息子のジャンニ氏が二代目。
ジャンニ氏がサルトとして偉大な父ジョセッペの跡を継ぐ決意をした40歳を過ぎた頃、ほどなくして父が他界。
父から直接学ぶ機会を失い、残った3人の職人から父の仕立てを学びます。
ジャンニ氏は父のサルトリアを守るべくその後必死に努力したのでしょう、父の時代からの伝統を継承してきた様子が、もう何十年も時が止まったかのような静寂なサロンから見て取れます。(sartoria italianaより)
ジャンニさんが今後もお元気でご活躍されることを祈念しつつ、再会のお約束をしてサロンを後にしました。
そんなサルトリア・セミナーラの貴重なオーダースーツを極少数ですが当店にも在庫しておりますので、華のある上品なフィレンツェ仕立てをご体感くださいね。
続いて、そのセミナーラで修行された経歴のある日本人サルト宮平康太郎さんの「CoRCoS」へ伺いました。
本場イタリアで伝統的仕立て技術を体得し、現地でその作品を評価されている数少ない日本人職人。
長身でガッチリ体型の宮平さん、口髭も蓄え貫録抜群です!
お話ししてみると大いなる情熱とポリシーを感じました。
着られているご自身のジャケットは伝統的フィレンツェ仕立てを踏襲しながら、よりモダンですっきり見える印象。
ハウススタイルをお聞きしてみると、やはり伝統を守りながらも独自の解釈で現代に合ったスタイルを構築していくという姿勢がうかがえ、それがバランス良く反映されたフォルムです。
人種が違えど伝わるのでしょう、現在コルコスは新規客からの注文を全てお断りしなければいけない程の注文を抱え、納期も1年近くかかるほどです。
イタリアの伝統工芸文化において現地で勝負し成功を収めている宮平さんに同じ日本人として尊敬するばかり。
そして、サロンでは奥様の周りをやんちゃ盛りな3才の長男君が駆け回り、とても微笑ましかったです。
宮平さんの変わらぬご活躍とご家族のご健康をお祈りしつつ、サロンを後にしました。
~フィレンツェ編3 靴工房編につづく~