12/20-21(土) あなたの知らないナポリ仕立ての世界へ。～１0周年記念イベント第三弾！～

こんにちは。

Artigiano-Tokyo Ginza(東京銀座店)です。

今週末12月20日(土)～21日(日)の2日間、
10周年記念イベントを当店フロアで開催いたします。

今回のイベントのテーマは「あなたが知らない、ナポリ仕立ての世界へ」。

本イベントでは、当店が長い年月をかけて集めてきた
実際のアーカイブ品や、それに匹敵する品々を前に、
時代ごとの設計や考え方の違いを辿っていきます。

1930年代以降、南イタリアで広がっていった仕立ての流れを
実物を通して見つめ直すことで、「ナポリ仕立てが何を大切にしてきたのか」
その核心に近づく機会として企画しました。

アントニオ・パニコ、ビスポークコート。Size50-52相当。氏が全盛期にあった頃の作品で、堂々たるチェスターコートでありながら、過度な威圧感を与えない佇まいが印象的だ。フランネル系のウール生地は滑らかで、しっとりとした質感を持ち、着込むほどに表情を深めていく。パニコの仕立てに見られる「柔」と「剛」の同居、その中でも本作は剛を軸にしながら、随所に柔らかさを感じさせる一着である。本作は今回の二日間のイベント限定展示販売品となり、当店においても今後の再入荷が見込めないアーカイブピース。

当店は、クラシコ・イタリアのヴィンテージおよびUSEDを専門に扱う店として
名古屋でスタートし、東京・銀座に拠点を構えてから10年を迎えました。

この10年の間に、クラシックウェアを取り巻く環境や
それを選ぶ人の価値観も少しずつ変化してきたように感じています。

情報に触れる機会は増え
仕立てや歴史を言葉として理解しやすくなった一方で、
実際に服そのものと向き合う場は、
以前より限られてきているのではないでしょうか。

仕立ての良し悪しは、説明やスペックだけで完結するものではありません。

袖を通したときの感覚や、日常の中で着続けることで見えてくる変化。
そうした積み重ねの中で、はじめて分かることも多くあります。

チャルディのアルスターコート。Size:48-50相当。父の代から工房を受け継ぎ、現在は次世代である息子たちが手がける作品。本作は、今回のイタリア買い付けにて、本人から直接譲り受けた未使用の個体である。アルスターコートは、本来重衣料の中でも構築性が前に出やすいアイテムだが、本作はアンコン仕立てを採用し、肌当たりの良い生地選びによって、その印象を穏やかに和らげている。メランジ調の深いボルドーカラーは、柔らかな仕立てを引き締めつつ、大人な印象。重厚さに寄りがちなアルスターコートを、ナポリらしい感覚で解釈した一着と言える。

今回のイベントでは、当店が入居するフロア全体を貸切り
名古屋本店で長年大切に保管してきたその驚くべきアーカイブが東京銀座店に集結。

1930年代以降の南イタリアを起点とした個体を中心に、
現在では再現が難しい仕立てや素材、当時ならではのバランスを持つものが並びます。

いずれも、時代を経てもなお着ることを前提として考えられた服です。
また、ウェアに加えて、名古屋本店のみで展開してきたイタリア製の小物類も展示・販売いたします。

ヴィンテージ・ヴァレクストラ、アルフレッド・ベレッタをはじめとした
イタリア製の大物鞄を、2日間限定で特別展示いたします。
あわせて、シャツやネクタイ、小物類など、
普段は名古屋本店でしかご覧いただけない品々もこの2日間だけ集結。
この機会でなければ一堂に揃わない、
10周年の節目にふさわしい特別なラインナップとなっております